専門性を積み重ね、企業と並走しながら開示業務を支える

——これまでのキャリアについて教えてください。

大学卒業後、まずは監査法人に入社しました。公認会計士として監査業務に携わり、決算や開示書類をチェックする立場から、さまざまな企業の数字と向き合ってきました。その後、従業員が数名ほどの小さな事業会社に転職し、経理だけでなく人事も含めたバックオフィス全般を経験しました。経営との距離が近い環境で、組織運営や現場感覚を身につけられたことは、今の仕事にも生きていると感じています。

そこから再び監査法人に戻り、公認会計士として主に監査業務に従事しました。監査法人で決算・開示のチェックを重ねるなかで、「開示の業務は奥が深く、もっと知識を深めたい」という思いが強くなっていきましたが、一方でワークライフバランスの課題も感じていました。時間外が多く、生活とのバランスを整えにくいことから、自分の働き方を見直したいという思いが芽生えました。

そうしたなかで転職エージェントから紹介されたのが、ディスクロージャー・プロです。それまで開示専門のサービスがあること自体を知らなかったのですが、「開示に特化したサービスは面白そうだ」「内部の経理よりも、監査法人で歩んできた経験がより活かせるのではないか」と感じ、興味を持ちました。開示の業務にこだわっていたわけではありませんでしたが、自分の経験との親和性が高いと感じたことが、今のキャリアにつながっています。

入社後は監督者として、上場企業の開示支援を担当しています。事業会社の経理や監査法人での業務とは扱う範囲も深さも全く異なり、開示の仕事に真正面から向き合える環境に身を置いている実感があります。

——ディスクロージャー・プロを選んだ理由は何ですか？

決め手になったのは、専門性を高めながら、無理なく働ける環境があると感じたことです。前職の監査法人では繁忙と残業が常態化しており、生活と仕事の両立に悩むことも少なくありませんでした。ただ、楽な仕事がしたいわけではなく、会計士としての専門性はしっかり磨きたいという思いは強く持っていました。

その両立ができる環境を探していたところで出会ったのが、ディスクロージャー・プロでした。開示に特化している点、独自のシステムを使いながら専門性を深められる点、監査法人とも事業会社とも違う独自の立ち位置がある点に魅力を感じました。会計士にとって、ここまで開示に特化して働ける場所は多くありませんし、ワークライフバランスも維持しやすいと聞き、自分の志向に合っていそうだと感じたのを覚えています。

他社と比べても、残業時間の少なさや、家から通いやすい点など、働き方の面でも無理なく続けられるイメージが持てました。実際に入社してからも、専門性を積み上げたい人に最適な環境があるという印象は変わっていません。
開示業務は毎回違う論点があり、知識も経験も常にアップデートされます。働き方を整えながらも、成長を実感できる。それがこの会社を選んだ理由であり、今も感じている魅力です。

——現在はどのような業務を担当しているのでしょうか？

現在は、開示サービスをメインに、上場企業を中心とした約9社のメイン担当として、顧客対応や法定開示書類の作成を行っています。クライアントの業種に大きな偏りはなく、事業会社・REIT・投資法人など、さまざまなタイプの企業と関わっています。

担当クライアントは、各社の決算月が極端に集中しないよう、社内で調整されたうえでアサインされます。繁忙期が一部の時期に偏り過ぎないようにするための配慮であり、各メンバーの経験や適性も踏まえて担当が決まっていきます。こうしたアサインの仕方によって、年間を通じた負荷の平準化だけでなく、自分の経験の幅を広げていくことにもつながっていると感じます。

監督者としての役割は、クライアントとのコミュニケーションを取りながら、開示書類の作成がスムーズに進むよう全体をリードすることです。四半期決算のタイミングに合わせて、決算短信や有価証券報告書、四半期報告書などのドラフトを作成し、クライアントから資料が届いたら内容を反映します。必要に応じて監査法人との調整も行います。同じ時期に複数の決算が並行して進むことも多いため、優先順位をつけ、全体のスケジュール感を意識しながら進めることが求められます。

また、クライアントによっては、かなり深く業務の中に入り込むこともあれば、資料の反映が中心になることもあります。同じ開示支援でも、企業の体制や状況によって求められる役割は異なるため、相手のニーズを見極めながら、関わり方や支援のスタイルを柔軟に変えていくことも大切な仕事のひとつです。

——仕事を進めるうえで大切にしていることは何ですか？

最も意識しているのは、「外部に依頼していただく価値をきちんと提供する」ということです。開示書類の作成は、企業の内部で行うことも十分可能です。それでも外部の専門家に依頼していただくのは、「判断の根拠が知りたい」「監査法人とのやり取りをスムーズにしたい」「制度改正への対応に不安がある」といった理由があるからです。

開示の世界はグレーゾーンも多く、絶対にこうしなければならないという答えがひとつとは限らない論点も少なくありません。そのなかで、どこまでなら許容されるのか、どこからは注意が必要なのか、その境界線をできるだけ明確にしたうえで提案することを大切にしています。
経理部長とお話しする機会が多い仕事ですが、その先にいる役員や株主、さらには外部からの質問にも耐えられるような説明ができるかどうかを意識しながら、判断の根拠を整理していきます。

また、監査法人とのコミュニケーションに悩むクライアントも多く、どう説明すればよいか相談を受けることもあります。そうしたときには、関係する条文や基準を確認し、論拠を示しながら、伝え方まで含めて提案するようにしています。
クライアントから「助かりました」「次の決算もお願いします」と言っていただける瞬間に、外部に委託する価値が伝わったと感じます。その積み重ねを大切にしながら、日々の業務に向き合っています。

——顧客とのやり取りの中で、特に意識していることはありますか？

一番は、気軽に相談してもらえる関係性をつくることです。「何かあればとりあえず聞いてみよう」と思っていただけるような距離感を意識しています。

また、クライアントがタスクをずっと抱え込まずに済むよう、早めにロードマップを示すことも心がけています。いつまでに何を準備しておくとスムーズか、どのタイミングでどの資料が必要になるかといった見通しを共有することで、クライアント側もスケジュールを立てやすくなります。結果として、期末に慌てる場面を減らし、お互いに落ち着いて決算・開示に取り組めるようにすることが理想だと考えています。

——入社後に成長したと感じる部分を教えてください。

一番大きいのは、「知識の積み上げ方が変わった」という点です。開示業務は制度改正が多く、常に最新情報をキャッチアップする必要があります。事業会社にいた頃は、自社に関係する範囲の情報に限られがちでしたが、ディスクロージャー・プロでは社内のナレッジが体系的に共有されているため、以前よりも確実に知識を広げていくことができています。

特に、開示に関する経験と知識は、入社後に圧倒的に増えました。開示の奥深さに気づかされたという感覚もあります。複数の企業を担当するなかで自然とケーススタディが蓄積され、自分の中の引き出しが増えていくのを実感しています。

また、社内研修資料の作成補助にも関わっています。新しい情報をできるだけ早くキャッチし、それを噛み砕いて社内に共有する。そのプロセス自体が、最終的にはクライアントへの価値提供につながりますし、自分のインプットが会社全体のアウトプットに直結しているという実感も得られます。

——社内の雰囲気について教えてください。

社内には監査法人出身者、事業会社の経理経験者、税務の専門家など、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが在籍しています。それぞれ得意分野が異なるため、「この分野ならこの人に聞けばわかる」という安心感がありますし、お互いの専門性を尊重し合う雰囲気があります。

常にチーム全員で行動を共にするような一体感というのはあまりありませんが、その分、程よい距離感で付き合える関係性だと感じています。個人で仕事をしている孤独感もなく、かといってチームからの強い締め付けもない、風通しの良い組織だと思います。

また、制度改正や会計基準の変更が多い領域ですが、ナレッジ担当者が論点を整理した資料を作成し、社内研修で共有してくれます。個人でゼロから調べ物をしなくても、共通の土台をもって業務に取り組める点も、働きやすさにつながっています。質問すると丁寧に答えてくれる人が多く、安心して相談できる環境が整っていると感じます。

——働くうえで、ディスクロージャー・プロならではの魅力はどのような点だと感じますか？

やはり専門性を磨ける環境があることです。開示の仕事は、毎回新しい論点に触れる機会があり、経験を積むほど自分の引き出しが増えていきます。
監査法人ではチェック業務に多くの時間を使いますが、ここではクライアントと向き合い、提案に対するフィードバックを直接受け取ることができます。そのため、自分の提案がどのように受け止められ、どう役立ったのかが分かりやすく、やりがいを感じやすいと感じています。

——どのような人が監督者の仕事に向いていると感じますか？

開示支援は細かい作業も多いため、コツコツと積み重ねることが苦にならない方が向いています。また、クライアント折衝が好きな方には、特に向いている仕事だと思います。さまざまなタイプのクライアントがいるなかで、そのニーズを汲み取り、臨機応変に対応していく力が求められます。

どこに価値があるのかを意識し、クライアントとの信頼関係を築いていける方。また、調べごとが苦にならず、経理部長クラスの方にも納得してもらえるレベルまで調査し、論理構成を組み立てて説明できる方は、この仕事で大きく力を発揮できると思います。

制度改正や基準変更などの情報を学び続ける必要があるため、知識をアップデートし続けることを楽しめる方、専門性を磨き続けたい方には、特におすすめしたい領域です。

——最後に、求職者へのメッセージをお願いします。

ディスクロージャー・プロは、開示に特化した専門家が集まる会社です。制度改正が多く、学びが欠かせない領域ですが、その分だけ企業から必要とされる場面が多く、やりがいを感じながら働けます。

監査法人でワークライフバランスが取れていないと感じている会計士の方や、「開示の仕事に興味はあるが、実際のところよく分からない」という方にも、ぜひ知っていただきたい会社です。会計士にとっても、まだそれほど知られていない事業領域だと思いますので、まずは気軽に話を聞きに来てもらえれば嬉しいです。

専門性を高めたい方、開示のプロとしてキャリアを築きたい方にとって、ディスクロージャー・プロはきっと良いフィールドになるはずです。一緒に働ける日を楽しみにしています。